なんかの菌糸

文系で水族館に就職した人がなんか言う

文系人間は水族館に就職できるか?

さて何はともあれこの問題に答えなくてはならないでしょう。

「文系は水族館に就職できるか?」これ。

自分が「文系で水族館に就職した人」を標榜してる以上答えは出てんですけどね。はい。できます。ただかなり特殊な例です。

ほとんどの水族館の人は、水産系または生物系の大学、もしくは動物系の専門学校を出てます。飼育員になりたい人はそういう道にいくのが無難でしょう。

ではなぜ自分は特殊な例になれたのか?それは、タイミングがよかったのだと思います。

水族館の募集を知った時、自分は大学院の博士課程にいました。歴史学系のゴリゴリの文系で、学芸員を目指していました(この時点ですでに真っ当な社会人の道を踏み外している)。とにかく面白いことをしたかったので、水族館の採用を見た時も迷わず応募したわけです。

この時なんのタイミングがよかったのかというと、二つあります。ひとつは、自分の研究で生物をテーマとして扱っていたこと。もうひとつは、水族館側に変な人を採りたいという空気があったことです。この二つが妙にマッチしたのでしょう。

ただこんな奇跡はもうないでしょう。これに倣って敢えて文系枠で水族館就職を狙おうというのはワイルドスピードスカイミッション並に無茶です。自分以外にも文系で飼育員になった人はいますし、可能性としてはゼロではありませんが、ほぼゼロと覚悟しなくてはなりません。だいたい飼育員枠自体が少ない上に人気なので応募者も多いのです。

とはいえ、今後博物館(水族館含む)は今までにない色々なかたちで活動を展開していかなくてはならないでしょうから、その中で文理を超えた人材が求められる風潮ができるかもしれません。まあその前に学芸員の待遇を改善しなくてはいけないという難問が立ちはだかってますけどね。

ということで、参考になれば。(なるか?